忙しい毎日の中で、できるだけラクに家をきれいに保ちたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
そんな方にぜひ試していただきたいのが「吊るす収納」です。床や棚の上に物を置かず、浮かせて収納するだけで、掃除のしやすさが格段に向上します。
この記事では、吊るす収納のメリットや実践例、注意点などを詳しくご紹介します。
■1. 「吊るす収納」とは?
吊るす収納とは、フックやバー、ワイヤーラック、吸盤付きの小物ホルダー、さらには突っ張り棒などを使い、物を床や台の上に置かず、空中に浮かせて収納する方法です。
この方法は、収納としての実用性はもちろん、見た目のすっきり感や掃除のしやすさにも優れています。
例えば、キッチンのツールや洗面所の小物、玄関の鍵など、毎日使うけれど置きっぱなしになりやすい物も、吊るすことで「浮かせて収納」することが可能になります。
床や棚に物を置かない状態を作ると、掃除機やモップをかける際に物をどかす手間がなくなり、日々の掃除が格段にラクになります。
また、物が直接床に触れないことでホコリの付着も防ぎやすくなり、清潔な状態を保ちやすくなるのも魅力です。
さらに、収納位置を工夫すれば、子どもの手が届かない高さに危険な物を収納したり、ペットのいたずらを防ぐこともできるなど、生活に合わせた柔軟な対応ができる点も大きなメリットと言えるでしょう。
このように、吊るす収納は「見せる収納」としても優秀で、生活空間の美しさと利便性を両立する方法として、近年注目が高まっています。
■2. 掃除がしやすくなる3つの理由
1. 床がすっきりして掃除機がかけやすい
吊るす収納にすることで、床に物がない状態を保てます。
これにより、掃除機をかける際にいちいち物をどかす手間がなくなります。
また、ロボット掃除機の導入もしやすくなり、全自動で掃除を任せることも可能になります。
特に子育て中や共働き家庭では、掃除の時短と効率化は大きな助けになります。
床が見えていると部屋自体も広く見え、心理的にもスッキリとした印象を与えるため、インテリア面でも効果があります。
2. ホコリがたまりにくい
棚の上やカゴの中などはホコリが溜まりがちですが、空中にある収納は風通しもよく、ホコリが溜まりにくいのが特長です。
特に湿気がこもりやすい洗面所やキッチンでは、吊るすことでカビやぬめりの発生を防ぐ効果も期待できます。
掃除の頻度を減らせるだけでなく、衛生的な空間を維持することができ、アレルギーやハウスダストの対策にもつながります。
吊るした物の下も一拭きするだけで済むので、掃除時間そのものを短縮できます。
3. 物の管理がしやすくなる
吊るすことで「見える収納」になるため、どこに何があるか一目でわかり、片付けもしやすくなります。
たとえば、家族で使うリビングでは、リモコンやハサミ、文房具などをウォールポケットで見やすく収納することで、使いたい時にすぐ取り出せて、使い終わったらそのまま戻す習慣が身につきます。
また、吊るす収納はカテゴリー分けもしやすく、「キッチンツールゾーン」「掃除道具ゾーン」などと整理しやすいのもポイント。探し物が減ることで、日々のストレスも軽減されます。
■3. 場所別・吊るす収納の実践例
●キッチン
・調理器具を壁にフックで吊るすことで、料理中もサッと取り出せて便利です。
鍋やフライパンの一部は、S字フックを使ってレンジフード下に吊るすと収納と利便性を両立できます。
・スポンジやふきんは、シンク上のバーに吊るして乾燥させることで、ぬめり防止や衛生面にも効果があります。
・調味料を小さな吊り棚やマグネット式ラックで浮かせて収納することで、調理台が広く使え、拭き掃除もラクになります。
●洗面所
・歯ブラシやコップを壁面ホルダーで吊るすことで、水はけが良くなりカビの発生を防げます。
・ドライヤーを専用フックで収納すれば、コードの絡まりも防げて取り出しやすくなります。
・洗顔フォームや化粧品も吊り下げ式の収納ポケットに入れて浮かせておくと、洗面台まわりの掃除が簡単になります。
●玄関
・鍵やマスクをマグネットフックにかけておけば、外出時にサッと取り出せて忘れ物防止にも。
・靴ベラを吊るすタイプに変更すると、床置きよりも見た目がすっきりして掃除も簡単。
・折りたたみ傘やエコバッグなども吊るしておくと、急な外出時に役立ちます。
●リビング
・リモコンや文具をウォールポケットで吊るすことで、散らかりがちな小物をすっきりまとめられます。
・観葉植物をハンギングで飾りながら収納すれば、インテリアのアクセントにもなり、床掃除の妨げにもなりません。
・読みかけの雑誌や本を吊り下げラックに入れておくと、テーブルの上を片付けるのが簡単になります。
■4. 吊るす収納を成功させるポイント
1. 使いやすい位置に設置する
吊るす収納は便利な反面、設置場所を間違えると逆に使いづらくなってしまいます。
あまり高すぎる位置に吊るすと、日常的に使うアイテムが取りづらくなり、ストレスの原因になります。
基本的には、目線から腰の高さの範囲に設置するのが理想です。特に使用頻度の高いものは、片手でラクに届く位置に配置することで、使い勝手が格段に良くなります。
また、子どもや高齢者が使用する場所では、年齢や身長に合わせた高さに調整することも大切です。
2. 重さと耐荷重をチェック
吊るす収納では、設置するフックやバーの耐荷重に見合ったアイテムを選ぶことが基本です。
重たい鍋や工具などを吊るす際には、壁の素材や取り付け方にも注意が必要です。
石膏ボードに取り付ける場合は専用のアンカーを使うなど、適切な方法で固定しないと落下の危険があります。
また、吸盤タイプやマグネットタイプの収納は、湿気や衝撃に弱い場合もあるため、定期的な確認やメンテナンスが必要です。
安全性を確保するためにも、吊るす前に重量を測り、製品の表示をしっかり確認しましょう。
3. 見た目にも気を配る
吊るす収納は「見せる収納」としても活用されるため、インテリアとの調和も意識したいところです。
色味や素材を統一することで、生活感を抑えつつおしゃれな印象に仕上げることができます。
たとえば、ステンレスのフックでそろえたり、木製のバーを取り入れてナチュラルテイストにまとめるなど、好みに合わせて工夫が可能です。
また、吊るすアイテム自体も、パッケージを外して詰め替え容器にするなど、視覚的な美しさに配慮するとさらに整った空間になります。
■5. 100均や無印良品などで揃えやすい
吊るす収納に必要なアイテムは、100円ショップや無印良品、ニトリ、さらにはホームセンターやインターネット通販など、多くの店舗やオンラインショップで手軽に購入できます。
特に100均では、S字フック、ワイヤーバスケット、吸盤フック、マグネット付きホルダーなど、吊るす収納に使える商品が豊富に揃っており、工夫次第でさまざまな応用が可能です。
また、無印良品やニトリでは、デザイン性に優れた吊り収納アイテムが多く、見た目に統一感を出したい方にもおすすめです。
これらのアイテムはシンプルなデザインでインテリアになじみやすく、どの部屋でも使いやすいというメリットがあります。
初心者でも始めやすく、実際に設置してみながら試行錯誤できるのが、こうしたリーズナブルなアイテムの魅力です。
コストを抑えつつも、使いやすく機能的な収納が叶うため、まずはひとつの場所から始めてみると良いでしょう。
必要に応じて少しずつ買い足していくスタイルなら、無理なく取り入れることができます。
■6. 掃除習慣が自然に身につく
床や棚の上がすっきりすることで、日々の掃除がラクに、短時間で済むようになります。
これにより、掃除に対する心理的な抵抗感が減り、「面倒だから後回しにしよう」という気持ちを軽減できます。
特に、仕事や育児で忙しい方にとって、少しの空き時間でもサッと掃除できる環境が整っていることは大きな利点です。
また、床に物がない状態が常態化すると、その状態を保ちたいという意識が自然と芽生え、部屋をきれいに保とうというモチベーションが高まります。
その結果、掃除のハードルが下がるだけでなく、こまめに掃除をする「習慣」が定着しやすくなります。
さらに、吊るす収納を取り入れると、掃除の度に物を動かす手間がないため、家族全員が掃除に参加しやすくなるという副次的な効果も。
特にお子さんがいる家庭では、「戻す場所が明確=お片付けしやすい」という仕組みになり、自主的なお手伝い習慣にもつながることがあります。
■7. 吊るす収納で“浮かせる暮らし”を楽しもう
吊るす収納は単なる片付けの工夫にとどまらず、暮らしそのものを軽やかにしてくれます。
物を浮かせることで掃除がしやすくなり、ストレスも減少。物を動かす手間が減ることで日々の家事負担が軽くなり、心にも余裕が生まれます。
また、見た目も整うことでインテリアに統一感が出て、気分も上がり、居心地の良い空間が実現します。
さらに、吊るす収納を取り入れると“片付けのルール”が自然と定まり、物の定位置が明確になります。
これにより、家族全員が片付けやすくなり、家の中が整いやすくなるのも大きなメリットです。
特に生活導線上に吊るし収納を取り入れると、使った物を戻す習慣が身につきやすく、物の散乱を防ぐことができます。
このように、吊るす収納は掃除の効率化だけでなく、暮らしそのものを「浮かせる=軽やかにする」役割を果たしてくれます。
ぜひ、今日から「吊るす収納」を暮らしに取り入れて、すっきりと整った、ストレスフリーな毎日を実感してみてください。