「掃除しなきゃ……でもやる気が出ない」そんな気持ちになること、誰にでもありますよね。
完璧を目指すあまり、掃除が重荷になってしまう人も少なくありません。
そこで今回は、掃除が苦手な人でも無理なく続けられる“ゆる掃除”のコツをご紹介します。
ゆる掃除とは?
“ゆる掃除”とは、掃除に対して完璧を求めず、自分の気分や生活スタイルに合わせて、無理なく気軽に取り組める掃除スタイルのことです。
「一度に家中をピカピカにするぞ!」というような気負いを持つのではなく、
「今日はこの一角だけやってみよう」
「テレビを見終わったついでにここをサッと拭いてみよう」
といったような、小さな行動を積み重ねていくことが特徴です。
このスタイルは、掃除に対する心理的なハードルをぐっと下げてくれますし、日常の中に自然に組み込めるので、長続きしやすいのもポイントです。
また、“やらなきゃ”という義務感から解放されることで、掃除が以前よりもずっと気楽に感じられるようになるでしょう。
ゆる掃除のメリット
精神的負担が軽くなる:完璧を求めないので気持ちがラクになります。
掃除に対する「やらなければいけない」というプレッシャーが減ることで、心理的なストレスが大幅に軽減されます。
また、気分が落ち込んでいる日や体調がすぐれない日でも、「ちょっとだけ掃除」という考え方で取り組めるのは大きなメリットです。
継続しやすい:
短時間・低負荷なので日々の習慣に取り入れやすいです。
1日数分だけでも「拭く」「整える」といったシンプルな行動を続けていけば、自然と掃除の習慣が身につきます。
特に忙しい人や子育て中の方にはぴったりの方法です。
汚れが溜まりにくくなる:
小まめに掃除することで大掃除の必要が減ります。
こまめな手入れが行き届くことで、汚れがこびりつく前に処理でき、結果的に時間も手間も少なくて済みます。
定期的な掃除が不要になるわけではありませんが、負担感が大幅に軽くなるのは魅力です。
ゆる掃除を習慣にするコツ
1. 「ついで掃除」を取り入れる
歯を磨きながら洗面台をサッと拭いたり、電子レンジを使った後に中をふいたり。
「何かのついで」に掃除をすることで、わざわざ掃除のための時間を作る必要がなくなります。
たとえば、トイレを使った後に便座や床をサッと拭く、料理を待つ間にシンク周りを整理する、洗濯機が回っている間に洗面台を整えるなど、日常生活の中に自然に掃除を組み込むことができます。
このような「ついで」の積み重ねは、無理をしないからこそ習慣になりやすく、気づいたときには家の中が常にある程度きれいな状態に保たれていることも珍しくありません。
忙しい日々の中でも、無理なく掃除ができるため、掃除への抵抗感も減っていきます。
掃除を「イベント」にせず、「生活の一部」にするのが、ついで掃除の最大のメリットです。
2. 「時間」を決めずに「行動」を決める
「10分掃除しよう」と時間で区切るよりも、
「テーブルを拭く」
「玄関を掃く」
「洗面台の水滴をふき取る」
など、具体的な行動を一つずつ決める方が達成感が得やすく、挫折しにくくなります。
時間に縛られると、「あと○分残ってる」と思って集中できなかったり、「時間がないからできない」と感じてしまうこともありますが、行動を小さく切り出しておけば、「今ならできる」と思えるタイミングが増えます。
また、行動を決めることで家族とも分担しやすくなります。
「お風呂掃除よろしく」よりも「今日は排水口のゴミを取っておいてくれる?」と頼むことで、負担感も減りますし、協力も得やすくなります。
掃除を“行動単位”でとらえることが、日常の中に自然と掃除を組み込むコツになります。
3. 掃除道具を身近に置く
使いたいときにすぐ手が届く場所に掃除道具を置くと、思い立ったときにすぐに掃除できます。
例えば、リビングにハンディモップを常備する、洗面所に使い捨てのクロスを設置しておく、トイレに小さな掃除ブラシと除菌スプレーを置いておくなど、掃除道具が目につく場所にあると行動に移しやすくなります。
また、見た目にこだわった掃除アイテムを選べば、生活空間に馴染みやすく、出しっぱなしにしていても気になりません。
おしゃれなデザインのモップやカラフルなウエスを選ぶことで、「使いたくなる」「持ちたくなる」道具になり、掃除への心理的ハードルもさらに下がります。
道具を置く位置や収納方法を工夫することで、掃除は“準備して行うもの”から、“すぐできるもの”へと変わります。
4. 頑張らない日があってもOK
毎日掃除しなくても大丈夫。「できるときにやる」くらいの気持ちでOKです。
日によって忙しさや体調、気分は異なるもの。掃除ができない日があっても、それを責めたり、後悔する必要はありません。
むしろ「今日はお休み」と割り切ることで、気持ちをリセットでき、次の日に前向きに取り組めるようになります。
大切なのは「続けよう」とする気持ちを保つこと。掃除はマラソンのようなものです。
一気に頑張るよりも、少しずつでも続ける方が結果的に大きな効果を生みます。
無理をせず、自分のリズムでゆったりと掃除に向き合うことが、長く続けるコツなのです。
ゆる掃除の実践アイデア
◆朝のコーヒーを待つ間にキッチン周りを拭く
◆お風呂の湯船に浸かりながら壁をシャワーで流す
◆寝る前にスマホを充電しながらテーブルを拭く
◆テレビCM中にリモコン周りや机の上を整理する
◆トイレの後にサッと便座や床を拭く
◆帰宅後、靴を脱いだついでに玄関をホウキで掃く
◆洗面台で手を洗った後に、水はねをタオルで拭き取る
◆電子レンジを使った直後に庫内を軽く拭く
どれも「これならできそう」と思えるような、ちょっとした行動ばかりです。
日常の流れの中に自然に組み込むことで、掃除が特別な作業ではなく“生活の一部”として定着しやすくなります。
小さな積み重ねが、きれいな空間を無理なく保つ大きな力となってくれるでしょう。
完璧じゃなくていい。「気づいたとき」がチャンス
掃除を続けるために大切なのは「自分に優しくすること」。
日常生活のなかで「完璧にやらなきゃ」と自分にプレッシャーをかけてしまうと、掃除はどんどん億劫なものになってしまいます。
でも、「完璧じゃなくていい」「できるときに、できる範囲でやればいい」と考えられるようになると、心も体もぐっとラクになります。
気づいたときにサッと一拭きするだけでも、家の清潔感は大きく変わります。
そうした小さな一歩が、結果として大きな変化につながっていくのです。
掃除嫌いでも、少しずつ「ゆるく」「楽しく」習慣にしていけば、きっと気づいたときには掃除が苦じゃなくなっているはずです。
掃除をしなければいけない“義務”ではなく、自分や家族の快適さを守る“やさしさ”としてとらえ直すと、掃除への向き合い方が自然と変わっていくでしょう。
まずは今日、何か一つ「ちょこっと掃除」から始めてみませんか?
たとえば机の上を片付けるだけ、玄関の靴をそろえるだけでも立派な一歩です。その一歩が、明日につながるきっかけになります。